1997年のロードレース世界選手権
1997年の FIMロードレース世界選手権 | |||
前年: | 1996 | 翌年: | 1998 |
1997年のロードレース世界選手権は、FIMロードレース世界選手権の第49回大会である。
シーズンの概要
ホンダのミック・ドゥーハンが他を全く寄せ付けない圧倒的な強さで4年連続チャンピオンとなった。シーズン12勝を挙げ、永く破られることのなかったジャコモ・アゴスチーニの年間勝利数記録をついに破ったのである。またこの年はホンダが500ccクラスを完全に支配したシーズンでもあり、ランキングのトップ10の内、実に7人までがホンダに乗るライダーであった。
その一方でヤマハやスズキを始めとする他メーカーチームにとっては、混迷を極めた1年であった。チーム・ロバーツは長年連れ添ったヤマハを離れ、モデナスと協力して開発した3気筒エンジンを積む軽量なオリジナルマシンでの挑戦を開始した。チーム・レイニーの阿部典史とルーキーのセテ・ジベルナウも、全く歯車が噛み合わない状態が続いていた。スズキのダリル・ビーティーは前年の頭部の負傷から完全に復帰することができず、結局この年限りで引退した。同じくスズキのアンソニー・ゴバートに至っては薬物検査で引っ掛かり、シーズン途中でチームを解雇されてしまった。エルフ・チームはスイスオート社製のV4エンジンを積んだオリジナル・マシンでの参戦を続けていたが、アプリリアはVツインのマシンでの500ccクラス参戦を、この年限りで中止する決断をくだした。
250ccクラスでは、ディフェンディング・チャンピオンのマックス・ビアッジが原田哲也、ラルフ・ウォルドマンとの熾烈な戦いの末、最終戦で4年連続タイトルを決めた。
125ccクラスでは、アプリリアの新星バレンティーノ・ロッシが11勝を挙げ、タイトル争いに圧勝した。
グランプリ
ラウンド | GP | サーキット | 125ccクラス優勝 | 250ccクラス優勝 | 500ccクラス優勝 |
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1 | マレーシア | シャー・アラム | バレンティーノ・ロッシ | マックス・ビアッジ | ミック・ドゥーハン |
2 | 日本 | 鈴鹿 | 上田昇 | 加藤大治郎 | ミック・ドゥーハン |
3 | スペイン | ヘレス | バレンティーノ・ロッシ | ラルフ・ウォルドマン | アレックス・クリビーレ |
4 | イタリア | ムジェロ | バレンティーノ・ロッシ | マックス・ビアッジ | ミック・ドゥーハン |
5 | オーストリア | ツェルトベク | 上田昇 | オリビエ・ジャック | ミック・ドゥーハン |
6 | フランス | ポール・リカール | バレンティーノ・ロッシ | 原田哲也 | ミック・ドゥーハン |
7 | オランダ(ダッチTT) | アッセン | バレンティーノ・ロッシ | 原田哲也 | ミック・ドゥーハン |
8 | イモラ | イモラ | バレンティーノ・ロッシ | マックス・ビアッジ | ミック・ドゥーハン |
9 | ドイツ | ニュルブルクリンク | バレンティーノ・ロッシ | 原田哲也 | ミック・ドゥーハン |
10 | ブラジル | リオデジャネイロ | バレンティーノ・ロッシ | オリビエ・ジャック | ミック・ドゥーハン |
11 | イギリス | ドニントン | バレンティーノ・ロッシ | ラルフ・ウォルドマン | ミック・ドゥーハン |
12 | チェコ | ブルノ | 上田昇 | マックス・ビアッジ | ミック・ドゥーハン |
13 | カタルーニャ | カタロニア | バレンティーノ・ロッシ | ラルフ・ウォルドマン | ミック・ドゥーハン |
14 | インドネシア | セントゥール | バレンティーノ・ロッシ | マックス・ビアッジ | 岡田忠之 |
15 | オーストラリア | フィリップ・アイランド | 上田昇 | ラルフ・ウォルドマン | アレックス・クリビーレ |
最終成績
500ccクラス順位
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太字:ポールポジション |
250ccクラス順位
|
太字:ポールポジション |
125ccクラス順位
|
太字:ポールポジション |
エントリーリスト
500ccクラス
チーム | コンストラクター | 車両 | 車番 | ライダー | 出場ラウンド |
---|---|---|---|---|---|
レプソル・ホンダ | ホンダ | ホンダ・NSR500 (NV0X) | 1 | ミック・ドゥーハン | 全戦 |
2 | アレックス・クリビーレ | 1-7, 12-15 | |||
7 | 岡田忠之 | 全戦 | |||
ホンダ・NSR500V (NVAB) | 24 | 青木拓磨 | 全戦 | ||
ヤマハ・プロモーター・レーシング | ヤマハ | ヤマハ・YZR500 (OWH0) | 3 | ルカ・カダローラ | 1-3 |
11 | トロイ・コーサー | 1-3 | |||
レッドブル・ヤマハ WCM | ヤマハ | ヤマハ・YZR500 (OWH0) | 3 | ルカ・カダローラ | 4-15 |
11 | トロイ・コーサー | 4-7 | |||
22 | カーク・マッカーシー | 9-15 | |||
ホンダ・グレシーニ | ホンダ | ホンダ・NSR500V | 4 | アレックス・バロス | 全戦 |
ヤマハ・チーム・レイニー | ヤマハ | ヤマハ・YZR500 (OWH0) | 5 | 阿部典史 | 全戦 |
20 | セテ・ジベルナウ | 全戦 | |||
ラッキーストライク・スズキ | スズキ | スズキ・RGV500 (XR87) | 6 | ダリル・ビーティー | 全戦 |
23 | アンソニー・ゴバート | 1, 4-12 | |||
26 | 加賀山就臣 | 15 | |||
27 | ピーター・ゴダード | 2-3, 14-15 | |||
モビスター・ホンダ・ポンス | ホンダ | ホンダ・NSR500 | 8 | カルロス・チェカ | 全戦 |
9 | アルベルト・プーチ | 全戦 | |||
マールボロ・チーム・ロバーツ | モデナス | モデナス・KR3 | 10 | ケニー・ロバーツ・ジュニア | 全戦 |
12 | ジャン=ミシェル・バイル | 全戦 | |||
テクマス・ホンダ・エルフ | ホンダ | ホンダ・NSR500V | 13 | ベルナール・ガルシア | 6-9 |
55 | レジス・ラコーニ | 1-5, 10-15 | |||
エルフ・500 ROC | エルフ | ELF 500 | 14 | フアン・ボルハ | 全戦 |
16 | ユルゲン・フックス | 全戦 | |||
ソヴェレックス FP レーシング | ROC ヤマハ | ROC ヤマハ | 15 | フレデリック・プロター | 1-3 |
ホンダ | ホンダ・NSR500V | 4-15 | |||
チーム・ペデルチーニ | ROC ヤマハ | ROC ヤマハ | 17 | ルシオ・ペデルチーニ | 全戦 |
レオス・エルフ F.C.C. TS | ホンダ | ホンダ・NSR500 | 18 | 青木宣篤 | 全戦 |
IP アプリリア・レーシングチーム | アプリリア | アプリリア・RSW-2 | 19 | ドリアーノ・ロンボニ | 3-15 |
39 | アレッサンドロ・グラミーニ | 1-2 | |||
チーム・ミラー MQP | ホンダ | ホンダ・NSR500V | 21 | ユルゲン・ファン・デン・グールベルク | 全戦 |
ワールド・チャンプ・モータースポーツ | ROC ヤマハ | ROC ヤマハ | 22 | カーク・マッカーシー | 1-8 |
ミレット・レーシング | ROC ヤマハ | ROC ヤマハ | 25 | ローレン・ナヴォー | 全戦 |
マールボロ・ヤマハ | ヤマハ | ヤマハ・YZR500 | 51 | 藤原儀彦 | 2 |
チーム・パトン | パトン | パトン・V70 C10/3 | 53 | フランチェスコ・モナコ | 4, 8 |
パゲッツ | ホンダ | ホンダ・NSR500V | 98 | ジェイソン・ヴィンセント | 11 |
外部リンク
- MotoGP Official site
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